美ら島沖縄
     ( 画像; 沖縄エイサー )
エイサー祭り
【 沖縄の祭り 】
『 エイサー 』を探訪しましょう。

時を経るなかで、隊形、振り付け、衣装、大・小道具、音出しなどに趣向性を採り入れて変化して来たエイサーのスタイル沿革を概述してみます。

〓エイサーの形態〓
演舞の形態には、【手踊りエイサーと太鼓エイサー】がある。
●手踊りエイサー
踊り手の輪の中で唄い手が唄い、それに応えて踊り手が囃子を唄う。
三味線の伴奏を付して男女で踊るのと、手持ちの締太鼓で調子音を入れながら女性のみで踊る形態がある。
●太鼓エイサー
唄・三味線の演唱を付して、踊り手が太鼓をバチで叩きながら舞う。
用いられる太鼓の形は、大太鼓/締太鼓/パーランクーの3種がある。
太鼓を持って舞うのは基本的に男性である。
太鼓を纏いながらの舞いは、身体を捻る・しゃがむ・飛ぶ・回転するといった激しいアクションをみせる。
男女混成隊形で舞う場合の女性の役目は、手踊りと囃子唄いにある。

現代では、男女混成隊形で舞うのが殆どであり、その形態を指して
「エイサー」と呼んでいるのが一般的である。

集落や市街地の路地を、多人数の青年男女が隊列を整えながら、唄い、舞い、鳴り物入りで練り歩く光景は優雅であり壮観である。

≪エイサーで使用される道具・衣装など≫
旗頭
隊の地元である集落・地域名を染め入れた旗
隊の先頭に掲げて、「我らここに在り」を誇示する。
大太鼓
直径:50cm 丈:50cm程の木胴筒に両面革張り
力強さを響かせながら隊の先陣を練る。
締太鼓
直径:30cm丈:10cm程の木胴筒に両面革張り
リズム感と躍動感のある響きで隊を導く。
パーランクー
直径:20cm程の木胴筒に片面革張り
リズミカルで軽快な響きで隊の躍動感を醸す。
その他の小道具
隊によっては四つ竹、手拭、扇などを採り入れている。
地方(ぢかた)
唄・三味線を演唱する。
演唱される曲目は、基本的に地元伝来の地唄を奏でる。
次々に繰り出す演唱が太鼓舞いや踊り手に快活感を注ぐ。
沖縄民謡は、唄と三味線が絃声一体になって演じられ、
【唄三味線の音楽】と云われる。
その弾き語りのスタイルは、現在でも伝承されている。
衣装
男性:木綿の白長袖シャツに白股引き、脚絆など
女性:浴衣や絣の装い。
その昔の衣装は、男女ともに芭蕉布織の絣に鉢巻きスタイルであったが、時を経るにつれて赤 黄 紫 黒などの華美な色合で織り成す衣装へと変わってきた。それは、琉球王朝時代の宮廷で重用された色彩に因むのではとも伝わる。

≪京太郎≫(方言:チョンダラー)
隊列の中で、顔は白塗、目眉を黒塗囲み 口を紅塗にして滑稽な振る舞いをする道化役。
その滑稽な動きのなかに、踊り手を鼓舞して盛り上げたり、隊列を整えたりする役目をも果たしている。
ときには、短い口上や滑稽踊りを披露するなどして、観客を隊に招き寄せたりする。
道化役を演じながらも、エイサー隊の重要な先導役を担っている。
チョンダラーは、多人数構成隊形の場合に配属するのが一般的である。

★以前は手踊りエイサーが主流であったが、近年では多人数構成で舞う太鼓エイサーのグループが多くなっている。

〓特異性を伝承するエイサー〓
エイサーは、一般的に男女混成で踊られるが、女性だけ又は男性だけの構成隊形を伝統的に継承している集落・地域がある。

●女性だけのエイサー
沖縄本島北部地域の数箇所の集落で伝承されている。
代表事例として、国頭村与那(よな)集落に伝承される【与那エイサー】を下掲の映像からご覧になれます。
古来から祭事の司りは、女性によって執り行なわれる慣習に基づいているそうです。

●男性だけのエイサー
沖縄本島中部地域の数箇所の集落・地域で伝承されている。
代表事例として、嘉手納町千原(せんばる)郷友会に伝承される
【千原エイサー】を下掲の映像からご覧になれます。

千原集落は嘉手納町に隣接する北谷町に帰属する字区であった。
戦後の米軍嘉手納飛行場敷設のため立ち退きとなった。
各地に散らばった住民達は嘉手納町に公民館を建立し、そこを拠点にして旧来住民間の交流を図るとともに文化継承活動などを行ってきた。
【千原エイサー】の存続は代表的活動の一端である。
今では、沖縄を代表するエイサーとして知られるようになった。

千原は首里王府の士族によって開墾された村落であると伝わる。
そこに居住した士族達がエイサーに興じた。
士族達はエイサーに女性を参加させなかった。
その慣習の名残りが現在まで続いている、珍しいエイサーである。

エイサ~・エイサ・サ~アッサッ!次回に続く
クリック して↓映像をご覧ください
◇千原エイサー
◇与那エイサー